憧れのSEO対策
N社は、マイクロソフトが、コンピュータメーカーやインターネット・サービス・プロバイダーや販売代理店や大企業に対して、インターネットエクスプローラを使ってもらう見返りに「秘密の支払い」をしたり、ソフトウェアやハードウェアや広告費の割引をしていると主張した。
N社は、さらに、ウィンドウズに自前のブラウザを搭載するというM社の決定は、競争を疎外する行為だと指摘した。
コンピュータメーカーは、自社のパソコンにマイクロソフト製ではないブラウザのアイコンを表示させたいと思ったら、3ドル余分に支払わなければならないのだ。
N社は、最後に、インターネットエクスプローラを無償で提供するという行為は、略奪的価格設定にほかならないと主張した。
ブラウザ戦争は白熱し、ダイレクトXは、M社のインターネット戦略の武器のひとつになってしまった。
その結果、E氏とR氏は、ダイレクトXに関する権限の多くを剥奪された。
社内の上級管理者たちが、成功をおさめたマルチメディアテクノロジーをわがものにしようと殺到したからだ。
こうした反乱は、個人への権限付与というM社の神話をきわだたせた。
M社では、通常、上層部が主導権を握るので、成功したプロジェクトの功績は上級管理者が自分のものにすることができる。
たとえ彼らが失敗しても、組織の再編成という選択肢は残っている。
開発者がプログラムの機能について意見を述べるのはかまわない。
だが、一介の開発者が大がかりなプロジェクトをはじめるのは、M社から見れば異質な行動だった。
まして、政治的な策略や、デベロッパーリレーショングループ内部の好意的な勢力から手に入れた多額の現金によって、そのプロジェクトをあおりたてるなどというのは。
「大きな権力をもつM社の重役が、自分の手柄にもできないプロジェクトを支援するわけがないだろう?」A氏は語る。
いまはなきスーパーマックテクノロジー社で副社長をつとめ、A社でも重役をつとめたT氏が、ダイレクトXの指揮をとるためにやってきた。
ハードウェアと結びついているものはすべて(ダイレクトドロー、ダイレクトサウンド、ダイレクトインプット、ダイレクト3D)T氏の担当となり、基礎ダイレクトXと名付けられた。
T氏がやってきたグループは、タリスマンという、3Dグラフィックを向上させるハードウェアチップの設計に取り組んでいた。
M社の技術方面の第一人者であり夢想家でもあるM氏の頭脳の産物だ。
しかし、社内でも社外でも大勢の人びとが、タリスマンのプロジェクトを、いずれは手に負えなくなるひとりよがりの研究活動とみなしていた。
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